フィッティングルーム <わたし>とファッションの社会的世界

CYCLAS創業者 小野瀬慶子による「フィッティングルーム <わたし>とファッションの社会的世界」(2023)です。

〈ファッションをつくる〉人びとの、生の呼吸。

手応え、喜び、信頼、希望。あるいは違和感、憤り、怒り、絶望――。ファッションの社会的世界に足を踏み入れてから、自ら創業した会社を離れるまでの30年間、〈わたし〉はファッションに何を求め、何をつくり出そうとしてきたのだろう。そこから見えてくる、〈もうひとつの創造〉の可能性とは？　ファッションを支配するシステムへの葛藤と挑戦をつぶさに描き、個人的な経験を43の光景（ザ・シーン）によって世界にひらく、オートエスノグラフィー。

エッセイではなくオートエスノグラフィー…「社会学や人類学で近年注目されている、自分自身を対象とする研究方法のひとつ。自らの経験を文化的・社会的な文脈の中でたどり直し、記述する。表現のスタイルはさまざまで、物語の形をとることも多い」とのこと。女性としてファッションに向き合い続け、そしてファッションの社会・人類学の研究に携わる著者だからこそ描ける本です(Ammel)。